奥様はカレー全般が好き。
カレーライス。インドカレー。カレーうどん。カレードリア。タンドリーチキン。
エトセトラ。
中でも手軽に味わえるカレーパンが大好物。
私もカレーは好き。
カレーうどんは好物の部類に入るくらい。
食卓にはいつもカレーが!と言いたいけど夜勤が多い私は同じ食卓を囲めないので頻度は知らない。
その代わり夜勤の合間に食べる間食を奥様が週に2~3回買ってきてくれる事がある。
おにぎり1つ、パン1つ。もしくはパン2つ。
そのどれかに高確率でラインナップされる「カレーパン」
よっぽど自分が好きなものを私に食べて貰いたいんだと思うと可愛くて仕方がない。
仕方がないけども。
嫌いじゃない。
でも好きじゃない。
食べれば『美味しい!』と思って食べる。
好きじゃない理由は後味。というより食べた後に込み上げてくる強烈なカレー感。
カレーパンを食べる時は決まって夜勤中。
そう、仕事中に込み上げてくるカレー感のおかわりが好きじゃないのだ。
それを週に2~3回味わうと毎日カレーを食べてる気分になれる。
おかわりを何回もしてるようなものなのだから。
人が好き嫌いを発動するのはそんな些細な理由だと思う。
『今日は新作の美味しそうなカレーパンを買ってきました~』
笑顔で差し出してくる奥様に悪意は無い。善意しか無い。分かってる。
だけどどこかで言葉で伝えなくては分かって貰えない。
『俺・・・カレーパンあんまり好きじゃないんだ・・・』
伝えた後の静寂が怖かったけど答えは驚くほど速く意外なものだった。
『うそ~!!!好きだと思ってた~!もっと早く言ってよね~!!!』
『自分は食べないからいつでもカレーパンが食べたい状態だったの!だから無意識で選んでた!』と聞いた時は『なるほど!』と思わず声に出したくらいだった。
何だ。伝えてしまえば簡単じゃないか。
パートナー同士の意志疎通はちゃんと言葉にすればすんなりと伝わるものだと改めて思わされた出来事。
好物を『自分が好きだから』という理由でパートナーに提供するなら、ちゃんと『貴方「も」好き?』と確認を取ったほうが良いと思う。
『実はそれ、あんまり好きじゃなかったんだ・・・』と長い間、言い出せなかった私のような人が今後現れない為にも。
今後何十年も寝食を共にするパートナーなら尚更に。
『お父さんが好きだから』という理由である夏の間中ほぼ毎日そうめんを提供していた母は父がいつしかそうめんが嫌いになった事実を知らない。
父がそっと『そうめんはもう食いたくねぇ』と言った事実は我々子供達しか知らない。
このように食に関する好き嫌いはお互い定期的に話し合った方が良いと思った夏バテを感じさせる暑い日。
それでは
ん~!良い人生を!